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クッションフロア(CF)は、貼る前の床で仕上がりの8割が決まる。これは職人側の常識だが、頼む側にはほとんど伝わっていない。この記事は、私が番頭として入った新築マンションの現場で、CFを貼る直前に見つけた「床の隙間」の話から、貼る前に何を見ておくべきかを書く。
10年ボード屋をやって、2026年2月から元請けの番頭をしている。床は自分で貼る職種ではないが、工程を組んで職人を手配する立場なので、CF屋さんが入る前の床は毎回見る。
先に結論
- CFは薄くて柔らかい。下地に隙間や段差があると、そのまま表面に出るか、時間が経ってそこが沈む。
- 貼る前に隙間をパテや合板で埋めれば数百円と30分で済む。貼った後に見つかると、剥がして貼り直し。
- 頼む側は「床を貼る前に、下地を誰が確認しますか」と一言聞いておく。これだけで、見ている会社かどうか分かる。
現場で見つけた隙間
新築マンションの現場。置き床(フローリングの下に組む二重床)の上にベニヤを貼り、その上にCFを貼る工程だった。CF屋さんが入る前の日に床を見たら、框(かまち)と壁際のベニヤの間に、数mmから1cmほどの隙間が開いていた。


置き床屋さんが悪いわけではない。置き床のベニヤは框や壁に「ぴったり」には貼れないので、多少の逃げは出る。問題は、その逃げを誰も埋めないまま次の工程に渡ってしまうこと。工程と工程の間に落ちる仕事で、ここを拾うのが番頭の役目だと思っている。
隙間があると、CFはどうなるか
CFは厚さ1.8〜2.5mm程度のビニール系の床材で、下地にボンドで貼る。下地が硬くて平らなら長持ちするが、下に空洞があると、そこだけ支えがない状態になる。
- 貼った直後:見た目は普通。ボンドが効いているので、しばらくは分からない。
- 数週間〜数か月:人が歩く、家具を置く、で空洞の上が沈み始める。縁が線になって浮き出る。
- その先:沈んだ所からボンドが切れて浮く。掃除機や椅子のキャスターで引っかけて破れる。
一度こうなると、部分補修はほぼ効かない。剥がして下地をやり直して貼り直し。貼る前なら30分で済んだことが、1日仕事になる。
貼る前にやること
隙間の幅で対処が変わる。
| 隙間の状態 | やること |
|---|---|
| 数mmの隙間・ビス頭の凹み | 床用パテで埋めて、乾いたら平らに削る |
| 1cm前後の隙間 | 合板の端材を切って差し込み、上からパテ |
| 段差がある | 低い側をパテで擦り合わせる。段差が大きいなら合板で高さを合わせる |
| ベニヤが浮いている | ビスを増し締めしてから。浮いたままパテを乗せても割れる |
今回の現場は、CF屋さんが入る前に埋める段取りに変えた。材料代はほぼゼロ。この手間を「やる前提」で工程に入れておくかどうかが、会社の差になる。
頼む側が聞いておくこと
CFの張り替えを頼む時に、見積もりの段階で聞いておくといいのはこの2つ。
- 「床を貼る前に、下地の確認は誰がしますか」——職人任せか、監督や番頭が見るのか。「職人が見ます」でも悪くないが、「誰も見ない」会社は避ける。
- 「今の床の上に貼りますか、剥がしますか」——古いCFの上に重ね貼りする場合、下の床の凹みや継ぎ目がそのまま出る。下地処理(パテ)が見積もりに入っているかを確認する。
見積書に「下地処理」「パテ処理」の項目があるかどうかも目安になる。項目がなくても現場でやる会社はあるが、書いてある会社はやる前提で段取りを組んでいる。
自分で貼る人へ
DIYでCFを貼る人も、やることは同じ。貼る前に床を手で撫でて、凹み・段差・隙間を探す。見つけたら床用パテで埋めて、乾いてから紙やすりで平らにする。掃除は念入りに。小さな砂が一粒残っているだけで、貼った後に「ぽつ」と出る。
貼る前の下地に30分かけるか、貼った後に後悔するか。職人が言う「下地で決まる」は、そういう意味だ。
まとめ
CFは下地の状態をそのまま写す床材。隙間・段差・凹みは、貼る前に埋めれば数百円、貼った後なら貼り直し。頼む時は「下地の確認は誰がするか」「下地処理が見積もりに入っているか」を聞いておく。自分で貼るなら、貼る前の30分を惜しまない。
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