「クロスの張り替えって何日かかりますか?」——見積もり依頼と同時に、ほぼ必ず聞かれる質問だ。答えは「部屋の広さと、家具と、下地の状態で変わる」なのだが、それだけでは何も分からない。この記事では、番頭として実際に職人の工程を組んでいる立場から、6畳・LDK・家全体の日数の目安と、日数が伸びる要因を具体的に書く。
この記事はこんな人向け
・クロスの張り替えを頼む前に、何日家を空ける/家具を動かすか知りたい人
・業者から言われた工期が長いのか短いのか判断したい人
・引っ越しや入居の日程から逆算して段取りしたい人



私の勤務先での工期の目安
6畳一部屋(天井+壁、家具なし):職人1人で1〜1.5日
LDK(16畳前後、家具なし):職人1人で2〜3日、2人で1.5〜2日
戸建て全体(空き家・家具なし):私が担当した工事では職人1人で5〜7日の例がある。ただし、家の広さや施工範囲で大きく変わる
参考・新築ワンルーム(床20㎡・壁50㎡程度):パテから張り込みまで1人で1.5日。既存クロスの撤去を伴う張替えとは条件が異なる
いずれも私の勤務先での経験にもとづく目安で、確約できる日数ではない。家具の移動や下地補修があれば工期は延びる。依頼する部屋の状態を見てもらい、作業日と乾燥待ちの日を含めた予定を確認してほしい。
手元の見積もりが適正か、1分で確かめるなら【Re:est】
全国122店舗のニッカホームが運営する概算見積もりサイト。一括見積もりではなく、項目を選ぶと個人情報なしでその場に概算が出る。番頭としては、他社の見積もりが高いか安いかを確かめる”物差し”として使うのが一番役に立つと思っている(対象エリアあり。評判と使う前に知っておく3つ)。
日数は面積と段取りの両方で変わる
クロスの張り替えは、大きく分けて4つの工程でできている。①既存のクロスを剥がす、②下地のパテ処理と乾燥、③新しいクロスを貼る、④仕上げと片付け。このうち面積に比例するのは①と③で、②のパテは「乾く時間」が必要なので、面積が小さくても短縮しにくい。
小さな部屋でも、下地補修と乾燥に時間が必要なことがある。一方、複数の部屋を工事する場合は、乾燥待ちの間に別の部屋を進められる。畳数だけで計算せず、撤去・補修・乾燥・張り込みの工程を確認すると、提示された日数を理解しやすい。
日数が伸びる5つの要因
①家具の移動
住みながらの張替えでは、家具の移動と養生にも時間がかかる。部屋の中央に家具を寄せ、半面ずつ施工する場合は、移動の回数も増える。小物を片付けておくと作業を進めやすいが、大きな家具を誰が動かすかは事前に相談しよう。
②下地の状態
既存クロスを剥がしたあと、下地の欠けや継ぎ目に補修が必要な場合がある。湿気でボードが傷んでいれば、パテだけで済ませず、湿気の原因やボード交換の必要性も確認する。壁紙の浮きが下地から来ているサインがある場合は、追加の調査や補修で工期が変わる可能性を聞いておこう。
③天井の有無と高さ
天井も施工する場合は、その面積と作業の段取りが加わる。高い天井や吹き抜けでは、作業足場の設置が必要な場合もある。高さだけで一律に何日増えるとは言えないため、見積もり時に確認してほしい。
④クロスの種類と柄
柄合わせが必要なクロスは、位置の調整に手間がかかる。施工のしやすさは厚さだけでは決まらず、品番や素材によっても異なる。クロスのうまい下手で取り上げたジョイントや枠まわりの処理も含め、選んだ材料で工期が変わるか確認しよう。
⑤職人の人数
職人が増えると分担できるが、人数が2倍なら日数が半分になるわけではない。部屋の広さや作業場所、乾燥時間によって効率が変わる。見積書の「人工」は作業量の単位なので、それだけで完成日を逆算せず、人数と工程表をあわせて確認する。
工期を短くしたい場合にできること
小物を片付ける、施工する壁や天井の範囲を決める、材料を早めに選ぶ。この3つは段取りを組む助けになる。どのくらい短縮できるかは現場次第なので、必要な補修や乾燥を省かずに調整してもらおう。
希望の完成日は早めに伝えていい。ただし、必要な乾燥時間まで削ると仕上がりに影響するおそれがある。安い見積もりに理由があるという記事と同様、工期も数字だけで判断せず、何の作業を含む予定かを聞くことが大切だ。
業者に言われた工期が「長すぎる」「短すぎる」の判断
工期の妥当性チェック
□ 壁・天井など、施工範囲が希望と一致しているか
□ 撤去・下地補修・乾燥・張り込みの工程が含まれているか
□ 職人の人数と、実際に作業する日が分かるか
□ 家具移動や他の工事を含む日程か
□ 剥がしたあとに傷みが見つかった場合、工期をどう相談するか
日数を気にしなくていい人
・空き家や引き渡し前の物件で、いつ終わっても困らない人
・クロス1面だけの部分張り替えで、その日のうちに終わる規模の人
・業者が工程表を出してくれていて、それに納得している人
この場合は、日数より仕上がりを優先して業者に任せた方がいい。日数を気にするべきなのは、住みながらの工事、引っ越し日が決まっている、賃貸の退去日が迫っている、のどれかに当てはまるときだ。
よくある質問
Q. 工事中は家にいないといけませんか?
A. 不在での施工に対応する業者もある。鍵の管理、連絡方法、入退室の時間を事前に合意しておこう。初日の打ち合わせと完了時の確認に立ち会う必要があるかも聞いておくと安心だ。
Q. 張り替えた日から普通に生活できますか?
A. その日から使える場合もあるが、施工内容や乾燥の状態による。家具を戻す時期や壁に物を立てかけてよい時期は、施工した業者に確認しよう。においが気になる場合は換気し、体調に無理のない使い方をしてほしい。
Q. 天井と壁、片方だけ先にやって後で残りをやれますか?
A. できるが、2回に分けると養生・準備・片付けが2回発生するので、合計の日数も費用も増える。まとめてやる方が効率はいい。
見本帳で量産と1000番のどちらを選ぶか迷ったら、量産クロスと1000番クロス、何が違う?で、一番の違いと「全部1000番にする必要はない」理由をまとめている。
床の工事で「重ね張り」をすすめられたら、フローリングは重ね張りと張り替え、どっちがいい?で、重ね張りで済む床・済まない床の見分け方をまとめている。
まとめ
私の勤務先では、家具のない6畳で1〜1.5日、16畳前後のLDKで2〜3日が一つの目安だ。ただし、家全体の工期は広さや施工範囲による。家具移動、下地補修、天井、材料、職人の人数を踏まえ、希望の完成日までに無理のない工程を組めるか確認してほしい。
見積もりを頼むときに工期の希望を伝える方法は見積もり依頼で伝える5つ、契約書に工期を日付で書いてもらう話は契約書のチェックにまとめている。
本記事にはアフィリエイト広告(A8.net・afb)を含みます。日数は筆者の会社での実感値にもとづく目安であり、業者・地域・物件の状態によって異なります。


コメント