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見積もりが決まって契約の話になると、今度は「お金はいつ払う?」「工事中は家にいないといけない?」「保証って何が対象?」「工期が遅れたら?」と、別の疑問が一気に出てくる。
私は10年ボード屋をやって、2026年2月から元請けの番頭として契約書を作り、工程を組み、職人を手配している。契約から工事が終わるまでにお客さんから実際に聞かれることを、この1本にまとめた。以前は1つずつ別の記事にしていたが、全部「契約してから終わるまで」の話なので、まとめて読める形にした。気になる見出しだけ読んでもらえればいい。
先に結論
- 支払いは「契約時・中間・完了後」が基本で、全額前払いを求める会社は避ける。
- 工事中に毎日いる必要はない。初日と最終日だけ立ち会えば足りる。
- 保証は「何年か」より「何が対象外か」を契約前に文章で確認する。
- 工期の遅れ、担当者との相性、丸投げ、職人への直接依頼、施主支給——全部「契約前に聞いておけば済む」話。聞き方をそれぞれの見出しに書いた。

工事中の立ち会いは必要?
結論
- いてほしいのは2回。初日の朝(工事範囲・養生・搬入経路の確認、10〜15分)と、最終日の仕上がり確認(明るいうちに)。
- 作業中は外出してOK。むしろ動線が空いて作業しやすい。ただし電話がつながる状態にしておく。
- 外出するなら決めておくのは、鍵の受け渡し方法・貴重品の場所・「追加が出たら誰がどう判断するか」の3つ。
- 途中で「下地が悪かった」「柄が違った」など判断が要る場面は、写真付きで電話が来る。その場にいなくても決められる。
立ち会いが必要なのは「初日の朝」と「最終日の仕上がり確認」
初日の朝:工事範囲と養生を一緒に見る(10〜15分)
職人が最初にやるのは養生。床や家具を汚さないためにシートを敷き、動線を決める。ここで「この部屋のこの壁まで」「この家具は動かす・動かさない」「靴はここで脱ぐ」を一緒に確認しておくと、後のトラブルがほぼ消える。
逆に、この確認を飛ばして「あとはお願いします」で出かけられると、職人は迷った時に止まる。範囲を広げていいのか、この棚は外していいのか、その判断がつかないと作業が進まない。10分で済むので、初日の朝だけは時間を作ってほしい。
最終日:仕上がりの確認は明るいうちに
クロスの継ぎ目、枠まわりの納まり、コークボンドの処理は、照明だけの夜より、昼の自然光の方がよく見える。最終日は夕方前に帰ってくるか、翌日の昼に確認の時間を取るかのどちらかがいい。職人が帰った後に気になる所が見つかっても、写真を送ってもらえれば手直しの手配はできる。
作業中は外出していい。むしろ職人はやりやすい
正直に書くと、作業中に施主がずっと横にいると、職人は気を遣って動きが鈍る。廊下や部屋の出入りが重なると、材料の搬入や脚立の移動も止まる。いてもらって困ることはないが、いなくて困ることもないのが実際のところ。
ただし条件がある。電話がつながること。次に書く「途中の判断」で連絡することがあるので、会議中で3時間出られない、という日は避けるか、代わりに判断できる家族の連絡先を伝えておく。
途中で連絡が来るのはこんな時
番頭として職人から電話を受けて、施主に判断を仰ぐのはだいたいこの3つ。
- 剥がしたら下地が悪かった。ボードが湿っている、パテが要る面積が広い。追加費用の話になるので、金額と一緒に電話が来る。
- 家具や物が動かせない・置き場がない。「この棚は中身を出さないと動かせない」など。
- 品番・柄の確認。届いたクロスが打ち合わせと違って見える時。写真を送って確認する。
どれも写真と電話で決められる。その場にいる必要はない。逆に「追加は一切なしで、出たら止めて連絡」と初日に言っておけば、勝手に進むことはない。
番頭が「見えなくなる前」に見ている例
立ち会いの話で一番伝えたいのは、「仕上げで隠れる前に見る」ということ。写真は新築マンションの現場で、クッションフロアを貼る直前に見つけた床下地の隙間。置き床屋さんがベニヤを貼る時に開いたもので、このまま貼れば、数か月後にここが沈んで表面が落ちる。貼る前なら埋めるだけで済むが、貼った後に見つかると、剥がして直すことになる。
お客さんが毎日いる必要はないが、「床を貼る前」「壁紙を貼る前」のような、下地が隠れる直前の日だけは、番頭か現場監督が必ず見ている会社かどうかを、頼む前に聞いておくといい。ここを見ていない会社の工事は、仕上がりがきれいでも中身が分からない。

工事は何時から何時まで?土日・うるさい日
結論
- 内装リフォームの工事時間は、だいたい朝8時〜夕方17時。職人は8時前に着いて、8時から作業を始めることが多い。帰るのは16時半〜17時半。昼休みは12時〜13時で、職人は車か現場の隅で食べる。
- 土日は「会社による」。戸建てなら土曜は普通にやる会社が多く、日曜・祝日は休みが基本。マンションは管理規約で平日のみ・9時〜17時などと決まっていることが多く、会社の都合より規約が優先。
- 音が一番出るのは、解体の日と、下地(ボード)のビス打ちの日。クロスや塗装の日はほぼ音が出ない。工程表で「解体」「下地」の日を見れば、うるさい日が分かる。

リフォーム工事の1日(番頭が組む側の実態)
番頭として工程を組む時、1日はこう考えている。
| 時間 | 何が起きるか | 頼む側がすること |
|---|---|---|
| 7:30〜8:00 | 職人が到着。車を停めて道具を降ろす。搬入経路に養生 | 初日はこの時間に鍵を開ける。2日目以降は鍵の預け方次第 |
| 8:00〜10:00 | 作業開始。解体の日はここから音が出る | 在宅なら別の部屋へ。外出するなら出て大丈夫 |
| 10:00〜10:30 | 一服。職人は外や車で休む | 何もしなくていい。差し入れは不要 |
| 10:30〜12:00 | 作業 | — |
| 12:00〜13:00 | 昼休み。車か現場の隅で食べる職人が多い | 部屋を使わせてほしいと言われることはほぼない |
| 13:00〜15:00 | 作業 | — |
| 15:00〜15:30 | 一服 | — |
| 15:30〜17:00 | 作業の区切りをつけて、掃除・片付け。道具を積む | 17時前後に「今日はここまで」の報告がある。在宅ならこの時間にいると進み具合が分かる |
職人の立場で言うと、8時に作業を始めるために、7時半には現場に着いていたい。道具を降ろして養生をして、8時からすぐ手を動かせる状態にするのに30分かかる。だから「8時からです」と言われたら、7時半過ぎには車が来ると思っておくと、慌てない。
帰る時間は、その日の工程の区切りで前後する。「ここまで貼らないと明日が困る」という日は17時半になることもあるし、材料待ちで早く終わることもある。番頭としては、17時を過ぎそうな時は事前にお客さんに連絡する。これがない会社は、連絡の遅い会社と同じで、工事中もそうなりやすい。
朝の鍵と、留守にする時
一番聞かれるのが「毎朝、職人が来る時に家にいないといけないか」。答えは、初日と最終日はいた方がよく、それ以外は会社と鍵の預け方を決めておけば、いなくて大丈夫。立ち会いの記事に書いた通り、番頭として「いてほしい」のは初日の朝の確認と、最終日の仕上がり確認の2回。
鍵は、キーボックス(番号式の箱を玄関の取っ手などに掛ける)を会社が用意することが多い。鍵を直接職人に渡す会社もあるが、番頭の立場で言うと、キーボックスの方が「誰がいつ開けたか」の責任がはっきりするので、こちらをすすめる。
土日・祝日・夜は工事をするか
検索でよく出る疑問なので、実態を書く。

- 土曜:戸建てなら、普通に工事する会社が多い。職人も土曜は仕事の日と思っている。ただ、近隣に気を遣って土曜は音の出ない作業(クロス・塗装)に当てる番頭もいる。
- 日曜・祝日:基本は休み。職人の休みでもあるし、近隣への配慮でもある。「日曜にやってほしい」は頼めるが、職人の手配が別になるので、できる会社とできない会社がある。
- 夜:住宅のリフォームで夜間作業はまずない。店舗やオフィスの内装だと夜間工事はあるが、家ではやらない。
- マンション:会社の都合より管理規約が優先。「平日9時〜17時」「土曜は音の出ない作業のみ」「日祝は不可」のように決まっていることが多く、番頭はこれに合わせて工程を組む。規約で作業時間が短いと、工期は戸建てより延びる。
土日に家にいられる人は「土日にやってほしい」と思うが、番頭の本音を言うと、平日に進めて土日は現場を止めた方が、近隣からの苦情が少なく、工事全体が静かに終わる。近隣挨拶をしていても、日曜の朝8時に解体の音がすれば、苦情は来る。
代金はいつ払う?着手金と支払いタイミング
結論
- 小さい工事(数十万円まで)は完了後に一括、大きい工事は「契約時+完了時」か「契約時+中間+完了時」に分けるのがよくある形。どれも普通。
- 着手金を頼まれる理由は、キッチンや建具などの受注生産品を元請けが先に発注して払うから。着手金=怪しい、ではない。
- 気をつけるのは「全額前払い」と「完了前に残金全額」。最後の支払いは、仕上がりを見て、手直しの約束が紙に残ってからにする。
支払いのタイミングは、工事の大きさで決まる
リフォーム会社によって違うが、番頭として見てきた範囲でよくあるのは次の3つ。
| 工事の規模 | よくある支払い方 | 理由 |
|---|---|---|
| 小さい工事(クロス1部屋、床1部屋など) | 完了後に一括 | 材料の先払いが少なく、元請けが立て替えられる |
| 中くらい(水回り1か所、複数部屋) | 契約時に一部(着手金)+完了時に残り | キッチン・ユニットバス・洗面台などを先に発注する |
| 大きい工事(間取り変更、全面) | 契約時+中間(着工時や下地完了時)+完了時 | 工期が長く、職人の日当を元請けが何週間も立て替える |
だから「うちは契約時に3割いただきます」と言われても、それ自体は普通。逆に、小さい工事なのに「全額先に」と言われたら、理由を聞いていい。
なぜ着手金を頼むのか(元請けの懐事情)
ここは表に出にくいので、番頭の立場から書いておく。
元請けは、職人に月末締めの翌月払いのような形で日当を払い、材料屋にも締めで払う。つまり工事中は、お客さんからお金をもらう前に、元請けが先に払っている状態が続く。クロスや床の材料なら数万円で済むが、システムキッチンやユニットバスは受注生産品で、発注した時点で元請けの支払いが確定する。キャンセルも返品もできない。
着手金は、この「先に確定した分」をお客さんに一部持ってもらうためのもの。だから受注生産品が多い工事ほど着手金の話が出るし、クロス張替えだけなら出ないことが多い。着手金の割合が大きすぎないか気になったら、「着手金は何に使われますか」と聞けば、まともな会社は「キッチンの発注分です」のように答えられる。
気をつける払い方
- 全額前払い。工事が始まる前に全額を求められるのは、規模にかかわらず慎重に。万一その会社が工事を終えられなかった時に、こちらに残るものがない。
- 完了前に残金全額。「最終日の朝に振り込んでください」と言われることがあるが、仕上がりを見る前に残金を全部払うと、手直しの交渉材料がなくなる。
- 現金のみ、領収書なし。振込かカードで記録が残る形が基本。現金でも領収書は必ずもらう。
- 見積書にない金額の請求。追加工事の分は、追加の見積もりと合意が先。追加費用が出る理由で書いた通り、後出しの請求は「決めていなかった部分」から出る。
契約後に内容を変えたい時
結論
- 契約後でも変更はできる。ただし「材料の発注前」「職人の日程確保前」「着工前」の3本の線があって、線を越えるほど戻しにくく、費用が出やすい。
- 一番揉めないのは、契約の時点で「発注はいつですか」と聞いて、その日までに変更を出し切ること。
- 変更を頼む時は、現場の職人ではなく元請けの担当に、「何を・いつまでに・費用と工期はどう変わるか」をメールで聞く。返事も文面でもらう。
変更できるかは、契約日ではなく「発注」で決まる
番頭の仕事の流れはだいたいこうなっている。契約→材料の品番を確定→商社やメーカーに発注→職人の日程を押さえる→着工。お客さんから見ると「契約した瞬間に全部決まった」ように見えるが、実際には契約のあとに発注と手配の段階があって、そこまでは中身を動かせる。
逆に言うと、発注してしまった材料は、メーカー在庫品なら返品できることもあるが、受注生産品(オーダーサイズの建具、特注色、キッチンや洗面台の本体など)は返品できない。職人の日程も、一度押さえた日を空けると、その職人の1日分の仕事が飛ぶ。変更が「できる・できない」「無料・有料」に分かれるのは、この線を越えているかどうかで決まる。
だから契約の時に聞いておくといいのは、「材料の発注はいつですか」「それまでなら変更しても大丈夫ですか」の2つ。番頭の立場だと、これを聞いてくれるお客さんはありがたい。発注前に変更をまとめて出してもらえれば、こちらも手戻りがない。
変更の種類ごとに、できる・条件付き・ほぼ無理
| 変更の内容 | 発注前 | 発注後・着工前 | 着工後 |
|---|---|---|---|
| クロスや床の色・品番を変える | できる。差額があれば見積もりを出し直す | 在庫品なら返品できることもある。特注色は差額+元の材料代 | 張る前なら発注後と同じ。張った後はやり直し費用 |
| 工事の範囲を増やす(洗面台も替える等) | できる。追加の見積もりと、工期が延びるかを確認 | できる。ただし職人の日程を追加で押さえるので工期は延びやすい | できるが、追加分は別工程になり、工事が2回に分かれることもある |
| 工事の範囲を減らす | できる。見積もりから引く | 発注済みの材料代と、空いた職人の日程分が残ることがある | 減らせるが、費用はあまり下がらない |
| 工法や仕様を変える(重ね張り→張り替え等) | できる。下地から見積もりが変わる | 材料が変わるので発注のやり直し。工期も変わる | 下地を開けてから決めることもある。その場の判断は元請けと |
表の右に行くほど、変更そのものは可能でも、費用と工期に跳ね返る。「変更できますか」と聞くより、「この変更をすると、費用と工期はどう変わりますか」と聞く方が、答えが具体的に返ってくる。
変更を頼む時の伝え方
変更は口頭ではなく、メールかLINEで文面に残す。理由は簡単で、契約書は最初の内容で結ばれているので、変更が文面に残っていないと「言った・言わない」になるからだ。契約書の確認ポイントで書いた「見積書とのズレ」は、変更のやり取りが残っていないことで起きることが多い。
変更を頼む文面の例
「○月○日契約の件で、変更をお願いしたいことがあります。①リビングのクロスをA品番からB品番に変更、②洗面台の交換を追加。この2点で、費用と工期がどう変わるか教えてください。材料の発注前でしたら、この内容で確定したいです。」
ポイントは3つ。何を変えるかを番号で書く、費用と工期への影響を聞く、発注前かどうかを確認する。これだけで、元請け側は見積もりの差分を出しやすい。返事も「差額○円、工期は変わりません」のように文面でもらう。
内装リフォームの保証、何が対象か
結論
- 保証は3種類ある。メーカーの製品保証、施工会社の工事保証、第三者のリフォーム瑕疵保険。内装で効くのは主に工事保証で、期間は会社ごとに違う。
- クロスの継ぎ目が開く、浮く、床が鳴る。この手の「施工に関わる不具合」は、保証期間内なら直してもらえるのが普通。傷・汚れ・日焼け・結露のカビは、ほぼ対象外。
- 不具合を見つけたら、日付入りの写真を撮って、職人ではなく元請けの担当に文面で連絡する。保証書に書いてある連絡先がそれ。
保証には3種類あって、内装で効くのは「工事保証」
| 種類 | 誰が保証するか | 内装で関係する例 |
|---|---|---|
| 製品保証 | メーカー | キッチン・トイレ・給湯器などの機器本体。クロスや床材そのものには通常ない |
| 工事保証 | 施工会社(元請け) | クロスの浮き・継ぎ目、床のきしみ、建具の建て付けなど施工に関わる不具合 |
| リフォーム瑕疵保険 | 保険法人(第三者) | 施工会社が倒産しても補修費が出る仕組み。会社が加入している場合のみ |
クロスや床の張替えで「保証」と言われたら、ほぼ工事保証のこと。期間は会社によって違い、内装の仕上げについては短めに設定している会社が多い印象がある。ここは「何年ですか」と聞いて、保証書か契約書に書いてもらう。口頭の「大丈夫です」は保証ではない。
保証で直るもの・直らないものの境目
番頭として保証の連絡を受けて、職人を手配するかどうかを判断する時の考え方はこうなっている。
| 症状 | よくある原因 | 保証で直るか |
|---|---|---|
| クロスの継ぎ目が開いた(1年目の冬) | 下地の乾燥収縮。新しいボードやパテほど出やすい | 直るのが普通。初年度の隙間は元請け側も想定している |
| クロスが浮いた・膨れた | 糊の不足、下地の粉、圧着不足 | 直る。施工側の問題 |
| 床がきしむ・鳴る | 下地の固定不足、フローリングの突き付け | 直る。ただし原因が構造側にあると範囲の話になる |
| 建具が閉まりにくい | 調整不足、季節の湿気 | 調整で直る。工事保証の範囲 |
| クロスの傷・へこみ・汚れ | 家具の移動、生活のもの | 対象外。有料の補修になる |
| クロスの日焼け・変色 | 紫外線、経年 | 対象外 |
| 結露によるカビ、雨漏りによる染み | 建物側・使い方側の問題 | 対象外。原因の方を直す話になる(カビと張替え) |
継ぎ目の隙間は、元ボード屋として補足しておくと、下地のボードやパテが乾いて縮む時に出るもので、張った直後は完璧でも1年目の冬に出ることがある。だから初年度の隙間で「手抜きだ」と怒る必要はないし、逆に「そういうものです」で終わらせる会社も違う。保証期間内なら、コークで詰めるか、部分的に張り直すのが普通の対応だ。
保証書で見る5項目
- 期間:引き渡し日から何年か。部位ごとに違うなら、それぞれ
- 対象:「施工に起因する不具合」のように書いてあるか。クロス・床・建具が入っているか
- 除外:傷・汚れ・経年・天災・使い方によるもの。ここは書いてあって普通
- 連絡先:会社の窓口か。職人の携帯だけなら、会社としての保証になっていない
- 費用:保証内は無料か、出張費だけかかるのか
保証書をくれない会社は珍しくないので、その場合は契約書の保証条項か、見積書の備考を見る。どこにも書いていなければ、契約前に「保証は書面でもらえますか」と聞く。契約書の確認ポイントでも書いたが、あとで効いてくるのはこういう1行だ。
工期が遅れる時、どうすればいい?
結論
- 工期の遅れは、理由が「材料の納期」「解体して分かった下地の問題」「天候」なら仕方ない部類。「職人が来ない」「連絡がない」「理由を聞いても曖昧」なら、会社の段取りの問題。
- 遅れた時にやることは1つ。「新しい完了予定日」と「遅れた理由」を、メールかLINEで書いてもらう。口頭の「来週には」は、何度でも延びる。
- 値引きは、会社の都合で遅れて、こちらに実害(仮住まいの延長・家具の保管費など)が出た時に頼める。実害がない遅れで値引きを求めると、仕上げを急がされて質が落ちる。
番頭の実情:工期はなぜ遅れるのか
工程を組む側の実情から書く。工期は、職人の予定・材料の納期・前の現場の終わり、この3つを合わせて決める。このうちどれか1つがずれると、全部ずれる。
一番多いのは、前の現場が押すこと。職人は1人で複数の現場を順番に回っている。前の現場で追加が出て2日延びると、次の現場(あなたの家)の着工が2日遅れる。これは職人のせいでも、お客さんのせいでもなく、番頭の工程の組み方が詰めすぎている時に起きる。余裕を見て組めば防げるが、余裕を見ると「工期が長い」と言われて選ばれにくい。ここが本音。
次に多いのが、材料の納期。キッチン・ユニットバス・建具は受注生産が多く、メーカーの納期が1〜2週間ずれることがある。クロスでも、品番によっては廃番や欠品で入れ直しになる。これは会社側でコントロールしきれない部分がある。
3つ目が、解体して分かる問題。壁を開けたら下地が腐っていた、床をめくったら配管が傷んでいた。これは直さないと先に進めないので、工期も費用も動く。追加費用の考え方で書いた通り、これは最初の見積もりでは見えなかったものなので、遅れ自体は仕方ない。ただし、その連絡がすぐ来るかどうかで、会社の質が分かる。
仕方ない遅れ・段取りが悪い遅れの見分け方
| 遅れの理由 | 番頭の判定 | こう聞く |
|---|---|---|
| 材料・設備の納期がずれた | 仕方ない | 「メーカーの納期はいつと言われていますか」。日付が出れば本当 |
| 解体したら下地・配管に問題 | 仕方ない | 「写真を見せてください」。見せられない会社は怪しい |
| 天候(外部工事) | 仕方ない | 内装だけの工事では理由にならない |
| 職人が来ない日が続く | 段取りの問題 | 「次に来るのはいつですか」。答えが曖昧なら、他の現場に回されている |
| 連絡がなく、聞いたら「来週には」 | 段取りの問題 | 「来週の何日ですか」。日付を言わせる |
| 追加工事を頼んだ | こちらの都合 | 追加を頼めば工期は延びる。契約後の変更はここに響く |
見分けるコツは「日付が出るか」。仕方ない遅れは、理由も新しい日付も具体的に出る。段取りの悪い遅れは、理由がぼんやりしていて、日付が「来週」「近いうち」になる。
遅れた時に、頼む側がやること(順番)
- まず理由と新しい完了日を聞く。電話でいいが、その後に「先ほどの件、○日完了予定、理由は○○ということで承知しました」とメールかLINEで送る。これが記録になる。
- 職人が来ない日は、来ない理由を聞く。「他の現場に行っている」なら、こちらの現場の優先度が下がっている。はっきり「うちはいつ再開ですか」と聞く。
- 新しい完了日も過ぎたら、担当者の上(会社の責任者)に連絡する。担当者レベルで止まっている情報が動く。番頭の立場で言うと、お客さんから社長に電話が入ると、その現場は翌日から動く。
- 実害が出ているなら、その分の話をする。仮住まいの家賃、家具の保管費、休みを取った分。これは値引きというより「遅れで生じた費用」の話で、会社の都合の遅れなら相談していい。
番頭として一番困るのは、遅れに不満があるのに、お客さんが何も言わず最終日に爆発するパターン。途中で「いつ終わりますか」と1回聞いてもらえれば、こちらも工程を組み直せる。聞くのは失礼ではない。立ち会いの記事でも書いたが、工事中の連絡は、お客さん側からしていい。
担当者と合わない。変えてもらえる?
結論
- 担当者の変更は頼んでいい。会社にとっても、担当者の相性で契約を失う方が損なので、言われれば対応する。頼む先は担当者本人ではなく、会社の代表電話か責任者。
- 変えてもらって解決するのは「連絡が遅い」「言ったことが伝わっていない」「態度が合わない」のような、担当者個人の問題。変えても解決しないのは「見積もりが高い」「工期が合わない」「会社の方針」のような、会社の問題。
- 契約前なら、担当者が合わない時点で他社を見る方が早い。契約後なら、変更を頼むか、「担当はそのままで責任者も同席してほしい」と頼む。
担当者側の実情:「変えてほしい」と言われたら、どうなるか
番頭として、担当者の変更を頼まれる側の実情を書く。お客さんから「担当を変えてほしい」と会社に連絡が入ると、小さい会社でも中くらいの会社でも、だいたい次のように動く。責任者が担当者に事情を聞き、別の担当者に引き継ぐ。引き継ぎの時に、これまでの打ち合わせ内容(希望、見積もり、現地調査の記録)を渡す。お客さんには、責任者か新しい担当者から連絡が行く。
担当者本人は、正直に言えば落ち込む。でも、それで会社が困ることはない。むしろ、相性が悪いまま進めて契約を失ったり、工事中に揉めたりする方が、会社にとっては損。だから責任者は、頼まれれば変える。「変えてほしいと言ったら断られた」という話は、担当者が1人しかいない会社か、担当者本人にしか伝えていないか、どちらかであることが多い。
頼む先は、担当者本人ではなく会社。本人に「あなたを変えてほしい」と言うのは、言う側もきついし、本人が握りつぶすこともある。会社の代表番号に電話して「担当の○○さんの件で、責任者の方とお話ししたい」と言えば、それで通じる。
変えてもらって解決する問題・しない問題
| 困っていること | 担当変更で解決するか | 番頭の補足 |
|---|---|---|
| 連絡が遅い、返事が来ない | 解決することが多い | 担当者個人の段取りの問題。ただ、会社全体が遅いなら変えても同じ。連絡が来ない時の見分け方 |
| 言ったことが見積もりに反映されていない | 解決することが多い | 聞き取りの問題。新しい担当者に最初から希望を書いて渡すと確実 |
| 話し方・態度が合わない | 解決する | 相性なので、変えるのが一番早い。遠慮しなくていい |
| 契約を急かされる | 解決しないことが多い | 会社の営業方針。急かされる時の考え方で書いた通り、会社ごと見直す |
| 見積もりが高い、内容が雑 | 解決しない | 会社の単価と作り方の問題。担当を変えても金額は変わらない |
| 工事中、職人への指示が通っていない | 半分解決 | 担当者の段取りの問題だが、工事中の交代は引き継ぎで一時的に混乱する |
見分け方は、「他の担当者だったら違ったか」を考えること。連絡の速さや聞き取りの丁寧さは人で変わる。見積もりの金額や会社の方針は人では変わらない。後者で困っているなら、担当を変えるより他社に相見積もりを頼む方が早い。
契約前か、契約後かで動きが変わる
契約前:合わないなら、担当変更より他社を見る
見積もりの段階で担当者が合わないなら、その会社に担当変更を頼むより、他社にも見積もりを頼んで比べる方が早い。番頭の立場で言うと、契約前の担当変更は会社も対応するが、「この会社じゃなくてもいい」段階なら、お客さんが無理に付き合う理由がない。断り方は3行でいい。
ただ、会社自体は気に入っている(施工例がいい、価格が合う)なら、変更を頼む価値はある。「会社にはお願いしたいのですが、担当の方とどうも話が噛み合わなくて」と責任者に言えば、それで動く。
契約後:変更を頼むか、責任者の同席を頼む
契約後、工事が始まる前なら、担当変更は普通にできる。引き継ぎに数日かかるが、工事に影響は出にくい。
工事が始まってからの変更は、できなくはないが、引き継ぎの間に職人への指示が止まることがある。この場合は「担当はそのままでいいので、打ち合わせに責任者の方も入ってもらえますか」と頼む方が、工事が止まらない。番頭としても、この頼まれ方は受けやすい。責任者が入ると、担当者の動きも変わる。
下請けへの丸投げを見分ける
結論
- 内装リフォームは職種ごとに職人が違う。ボード・クロス・床・電気・設備を1社で全部抱えている会社はほぼない。下請けが来るのは普通。
- 丸投げとは「元請けが現地調査・工程・材料・検査・不具合対応をやらず、職人に全部任せる」こと。来る人が誰かではなく、この5つを誰がやるかで見る。
- 契約前に聞くのは3つ。①当日の責任者は誰で、いつ現場に来るか ②工程表と材料の品番は誰が出すか ③不具合が出たら誰に電話するか。
リフォームで下請けの職人が来るのはなぜ普通なのか
6畳の部屋のクロスを張り替えるだけでも、実際に手を動かすのはクロス屋。壁に穴が開いていればボード屋、床も直すなら床屋、コンセントを動かすなら電気屋、キッチンなら設備屋。職種が違えば人が違う。
これを全部社員で抱えている会社は、大手でもほとんどない。仕事量に波がある業界で、職種ごとに職人を雇い続けるのは無理があるからだ。だからリフォーム会社は、職種ごとに付き合いのある職人(下請け)に工事を出す。番頭の仕事はその手配で、私が毎日やっているのはまさにこれだ。
なので「契約した会社の人が来ない=手抜き」ではない。私の会社でも、現場に行くのは付き合いの長い職人で、社員は段取りと確認に回る。これが内装リフォームの普通の形だ。
「丸投げ」と「下請けを使う」は何が違うのか
違いは、元請けが自分の仕事をしているかどうか。下請けを使っていても、次の5つを元請けがやっていれば、それは丸投げではない。
| 元請けの仕事 | 普通の下請け工事 | 丸投げ |
|---|---|---|
| 現地調査・見積もり | 元請けが見て、拾って、書く | 職人に「見といて」で終わる |
| 工程と職人の手配 | 元請けが工程表を組み、順番に職人を入れる | 職人任せで、いつ誰が来るか元請けも知らない |
| 材料の品番・数量 | 元請けが決めて発注する | 職人が手持ちで済ませる。品番の記録がない |
| 工事中の確認・検査 | 初日と最終日に元請けが現場に来る | 誰も見に来ない |
| 不具合の窓口 | 元請けが受けて職人を動かす | 「職人に直接言って」で終わる |
建設業法は、元請けが実質的に関わらずに工事を丸ごと他社に出す「一括下請負」を原則として禁じている(許可が必要な規模の工事の話で、小さなリフォームは対象外のこともある)。ただ、法律に触れるかどうかより、施主にとって困るのは「何かあった時に誰も責任を取らない」状態になること。上の表の右側に当てはまる項目が多いほど、その状態に近い。
丸投げになりやすいサイン
番頭として現場を回っていて、「この会社は投げてるな」と感じる時の共通点がある。契約前でも分かるものが多い。
- 営業の人しか出てこない。現地調査に来た人と、工事の話をする人がつながらない。調査した人が見積もりを書いていない会社は、拾い漏れが出やすい。
- 工程表がない。「だいたい1週間くらい」で終わり、どの日に何の職種が入るかを説明できない。段取りをしていない証拠になりやすい。
- 材料の品番が見積もりに書いていない。「クロス張替え一式」だけで、メーカー・品番がない。職人の手持ちで済ませる前提のことがある。
- 追加の判断を職人に振られる。工事中に「ここも直しますか?」と職人から直接聞かれ、金額の話まで職人とすることになる。本来は元請けが判断して施主に説明する。
- 不具合の連絡先が職人の携帯。引き渡しの時に「何かあったらこの人に」と職人の番号を渡される。元請けの窓口がない。
逆に、来る職人が毎日違う人でも、上の項目が元請け側で回っていれば問題ない。職種が変われば人が変わるのは当たり前だからだ。
職人に直接頼むと安い?大丈夫?
結論
- 直接頼むと安いのは本当。元請けの経費(番頭の手間、保証、段取り、営業)が乗らない分、2〜3割安くなることはある。
- その代わりに消えるのは「段取りする人」と「保証の窓口」。クロス1部屋、網戸、建具の調整のように、職人1人で完結する工事なら問題ない。解体・電気・水道・内装が絡む工事は、段取りする人がいないと必ず揉める。
- 直接頼むなら、見積もりは紙かメールでもらう、支払いは完了後、保証は「何かあったら直しに来てもらえるか」を先に聞く。この3つを飛ばすと、安くなった分が後で消える。
直接頼むと、なぜ安くなるのか(元請け側の実情)
番頭の立場から、元請けが何に金を使っているかを書く。職人の手間賃と材料費の上に、元請けは「諸経費」を乗せる。中身は、現地調査と見積もりを書く手間、工程を組んで職人を手配する手間、近隣挨拶、工事中の連絡窓口、保証の対応、それと会社の営業費。諸経費の中身で書いた通り、工事全体の1〜2割がここに入る。
職人に直接頼むと、この部分がそっくりなくなる。だから安い。手抜きだから安いのではなく、「段取りと保証を担当する人がいない」から安い。ここを分かった上で頼むなら、直接依頼は悪い選択ではない。
直接頼んでいい工事・やめた方がいい工事
| 工事 | 直接依頼 | 理由 |
|---|---|---|
| クロスの張り替え(1〜2部屋) | いい | クロス屋1人で完結する。材料も職人が手配できる |
| 網戸・建具の調整、ドアの建て付け | いい | 小さい工事で、元請けを通すと逆に高くつく |
| エアコンの脱着、ハウスクリーニング | いい | 単品で完結。専門業者に直接頼む方が早い |
| 床の張り替え(既存の上に重ね張り) | 条件付き | 床屋1人でできるが、巾木や建具の干渉が出ると他の職種が要る |
| キッチン・ユニットバスの交換 | やめた方がいい | 解体・水道・電気・設備・内装の5職種。段取りする人が要る |
| 間取り変更、壁の撤去 | やめた方がいい | 構造の判断と、複数の職種の順番管理が要る |
| 水回り全般(配管を触る) | やめた方がいい | 水漏れの責任の所在が曖昧になる。保証の窓口が要る |
線引きは「職人が1人で完結するか」。2職種以上が入る工事は、誰かが順番を決めて、前の職種の仕上がりを次の職種に引き継ぐ必要がある。これが番頭の仕事で、直接依頼にはこの人がいない。工期が遅れる仕組みで書いた通り、職種が増えるほど段取りで揉める。
職人側から見た「直接頼まれる」の本音
職人の立場で見てきたことも書く。職人は、直接頼まれると嬉しい反面、困ることもある。嬉しいのは、元請けを通さない分、自分の手間賃がそのまま入ること。困るのは、「見積もりを書く」「材料を手配する」「追加が出た時に説明する」が全部自分に来ること。職人は手を動かすのが仕事で、書類と段取りは苦手な人が多い。
だから、直接頼まれた職人の見積もりは「ざっくり」になりがちで、材料の発注漏れや、追加の説明不足が起きやすい。悪気はない。職人はそれを仕事にしていないだけ。頼む側がここを補う(紙で見積もりをもらう、材料の品番を自分で確認する、追加が出たら金額を先に聞く)と、直接依頼はうまくいく。
施主支給は嫌がられる?
結論
- 会社が施主支給を嫌がるのは、材料の利益がなくなるからだけではない。「届いた物が合わない時に工事が止まる」「不具合が出た時にどっちの責任か分からない」の2つが本当の理由。この2つを施主側が引き受ければ、受ける会社は多い。
- 受けやすいのは、照明・カーテンレール・タオル掛け・トイレのペーパーホルダーなど、後付けで、壊れても工事に影響しない物。受けにくいのは、キッチン・ユニットバス・給湯器など、寸法と配管が絡んで、合わないと工事全体が止まる物。
- 頼む時は、見積もりの前に「これは自分で用意したい」と品番つきで伝える。契約後に言うと、見積もりの組み直しになって嫌がられる。取付費が材料込みの時より高くなるのは、普通のこと。
番頭が施主支給を嫌がる、本当の理由
「材料で利益を取れないから嫌がる」とよく言われる。これは半分本当で、材料の仕入れ値と売値の差は、確かに会社の利益の一部。ただ、番頭の立場で言うと、それより困ることが2つある。
1つ目は、届いた物が現場に合わなかった時。施主がネットで買ったトイレが、排水の位置(壁排水か床排水か、排水芯の寸法)に合わない。給湯器の号数や設置タイプが違う。食洗機の幅が既存のキャビネットと合わない。こうなると、職人が来た日に工事ができない。職人の手間賃は発生するし、工程が組み直しになる。会社が手配した材料なら、番頭が現場を見て品番を決めているので、この事故はほぼ起きない。
2つ目は、不具合が出た時。施主支給の水栓から水漏れした時、水栓の初期不良なのか、取り付けの問題なのか、どちらか分からない。会社が手配した物なら、原因がどちらでも会社が窓口になって直す。施主支給だと「物はそちらで買ったので、メーカーに言ってください」「取り付けは問題ないです」で止まりやすい。保証の話で書いた通り、保証は「誰が窓口か」で決まる。施主支給は、その窓口が切れる。
この2つがあるから、まともな会社ほど施主支給に慎重になる。逆に言うと、この2つを施主側で引き受ける(寸法は自分で確認する、物の不具合はメーカーに自分で言う)と伝えれば、受ける会社は増える。
受けやすい物・受けにくい物
| 品物 | 施主支給 | 番頭の理由 |
|---|---|---|
| 照明器具(引掛シーリング) | 受けやすい | 自分でも付けられる物。合わなければ付けないだけで、工事に影響しない |
| タオル掛け・紙巻器・カーテンレール | 受けやすい | 後付けで、取付も簡単。下地の位置だけ伝えておけば問題ない |
| 水栓(キッチン・洗面) | 条件つき | 取付穴の数と径が合えばOK。合わないと穴あけが必要になる。品番を先に伝える |
| トイレ(便器・タンク) | 条件つき | 排水芯・排水方式が合わないと付かない。現地調査で会社に寸法を確認してもらってから買う |
| エアコン | 条件つき | 本体は支給できるが、配管・電源の工事が別。量販店の工事付きで買う方が安いことも |
| 食洗機・レンジフード | 受けにくい | キャビネットの寸法・電源・排気の位置が絡む。合わないと周りの工事が止まる |
| キッチン・ユニットバス・給湯器 | 断られることが多い | 寸法・配管・電気が全部絡む。搬入経路の確認も要る。会社が手配する物 |
| クロス・床材などの内装材 | 断られることが多い | 職人は品番と数量で動く。施主が買った物は数量が足りない・ロットが違うで現場が止まる |
元ボード屋として補足すると、内装材の施主支給は職人側が一番困る。クロスも床材も、職人は現場を見て「この部屋は何m必要、柄合わせでロスがこれだけ」と拾って発注する。施主がネットで買った物は、数量が足りない、ロット違いで色が微妙に違う、梱包が傷んでいる、が本当によくある。足りなければその日は終わらないし、追加で買うと今度はロットが変わる。材料は会社に任せた方が、結果的に安く早い。
施主支給で、本当に安くなるのか
これは正直に書く。安くなる物と、ならない物がある。
照明やタオル掛けのような小物は、ネットで買えば会社の仕入れより安いことが多く、取付費もほぼ変わらないので、安くなる。トイレや水栓も、ネットの安い店と会社の仕入れ値を比べると、ネットの方が安いことはある。ただし、取付費は材料込みの時より上がる。会社は材料の利益がない分、取付費を上げて調整する。これは「ぼったくり」ではなく、見積もりの組み方の問題。諸経費の中身で書いた通り、会社は工事全体でいくら残るかで動く。
結果として、「本体をネットで3万円安く買ったけど、取付費が1万5千円上がって、差し引き1万5千円の得」くらいが、番頭の感覚では普通。ここに、寸法が合わなかった時の手戻り、不具合が出た時の自分で動く手間を乗せると、小さい物以外は「得は小さく、リスクは大きい」になりやすい。
まとめ
契約から工事完了までの疑問は、突き詰めると「お金」「時間」「人」の3つに分かれる。お金は払うタイミングと保証の範囲、時間は工事時間と工期の遅れ、人は担当者・下請け・職人との関係。どれも契約前に一言聞いておけば済むことばかりで、聞いた時の答え方で会社の段取りの良し悪しも分かる。見積もりの段階の話は見積もりの記事にまとめているので、あわせて読んでほしい。
手元の見積もりが適正か、1分で確かめるなら【Re:est】
全国122店舗のニッカホームが運営する概算見積もりサイト。一括見積もりではなく、項目を選ぶと個人情報なしでその場に概算が出る。番頭としては、他社の見積もりが高いか安いかを確かめる”物差し”として使うのが一番役に立つと思っている(対象エリアあり。評判と使う前に知っておく3つ)。

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