クロス張替えは住みながらできる?家具の移動・費用・工事前の準備

住みながらのクロス張り替えに備えて家具を養生したリビングのイラスト リフォーム・内装

「クロスを張り替えたいけど、住みながらできるのか」「家具はどうすればいいのか」——見積もりの相談で、ほぼ毎回聞かれる質問だ。結論から言うと、住みながらの張り替えはできる。ただし、家具の扱いで費用と日数が変わる。この記事では、内装会社の番頭として住みながらの現場を組んでいる立場から、家具をどうするのか、施主は何をしておけばいいのか、何をしなくていいのかを書く。

この記事はこんな人向け

・住みながらクロスを張り替えたいが、生活できるのか不安な人
・ベッドやタンスなど大きな家具を、自分で動かさないといけないのか知りたい人
・家具の片付けで、費用や日数がどう変わるのか知りたい人

住みながらのクロス張り替えに備えて家具を養生したリビングのイラスト
住みながらのクロス張り替えに備えて家具を養生したリビングのイラスト
クロスの糊付け機と脚立、道具箱が置かれた内装現場
クロス屋の糊付け機と脚立。これだけで畳1枚分は場所を取るので、部屋の中に作業スペースが要る。

結論:住みながら施工できる場合がある。生活場所と家具の移動方法を先に確認する

①一部屋ずつなど、生活場所を確保しながら進められるかを業者と相談する
②家具の移動を業者に頼めるか、どの家具まで対応するかを確認する
③移動や養生の費用が別項目か、施工単価に含まれるかを見積もりで確かめる
④小物・割れ物・貴重品の片付けなど、自分が準備する範囲を先に決める

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住みながらの張り替えは、どう進むのか

住みながら施工する場合は、どの部屋をいつ使えなくするかを決める。一部屋ずつ進める方法はあるが、間取りや施工範囲によっては別の滞在先が必要になることもある。寝る場所や台所・トイレの使用も含めて確認したい。

家具を中央に寄せて壁を順に貼る方法もある。ただし、家具の量や大きさ、天井の施工などによっては、室外への移動が必要になる。貼り終えた部屋をその日の夜に使えるかも、においや乾燥状態を含めて確認しよう。

必要な日数は面積、下地、職人数、家具の移動などで変わる。クロスの張り替えは何日かかるかも参考に、各部屋を使えない期間を工程表で確認してほしい。

家具は誰が動かすのか

私の勤務先では、大きな家具の移動を含めて相談を受ける。ただし、どの会社も同じ対応とは限らない。家具の種類、移動先、費用を見積もりの段階で確認し、重いものを施主が無理に運ばないようにしたい。

家具の中身を出す作業や、分解・組立・家電の接続まで含むかは別に確認する。本棚や食器棚などは、業者が安全に運べる状態を相談して準備しよう。

家具が多いと、なぜ費用が上がるのか

ここは見積もりを作る側として正直に書く。家具のある部屋は、家具のない部屋より手間がかかる。動かす時間、養生する時間、貼り終わってから戻す時間——職人の作業時間がその分増える。だから、家具が多い現場は、クロスの単価にその手間を乗せて見積もる。

見積書に「家具移動費 一式」と別の行で書く業者もあれば、行を分けずにクロスの㎡単価を上げて出す業者もある。私は後者で、家具の量を見て単価を決めている。だから、見積書の見方で書いた「単価が相場より高い」と感じたとき、家具の多い部屋なら、それが理由のことがある。同じ家でも、家具のないクローゼットと、ベッドとタンスのある寝室で、㎡単価が違うのはおかしなことではない。

逆に言えば、施主側で片付けをしておけば、単価を下げられる余地がある。現地調査のときに「この家具はこちらで片付けておきます」「本棚の中身は出しておきます」と伝えれば、その前提で見積もりを作ってもらえる。

施主がやっておくと安く・早くなること

工事の前日までにやっておくこと

□ 壁に掛けているもの(時計・絵・カレンダー・鏡)を外す
□ 棚の上・テレビ台の上の小物、割れ物を別の部屋に移す
□ 本棚・タンス・食器棚の中身を出すか、できるだけ軽くする
□ 貴重品・現金・印鑑は別の場所に移す
□ カーテンを外しておく(レールは業者が外すことが多い)
□ 自分で動かせる家具(椅子・小さいテーブル・観葉植物)は別の部屋へ
□ 動かせないもの(ピアノ・大型水槽・据え付け家具)は、事前に業者に伝える

中身を減らしておくと、家具を移動しやすくなる場合がある。ただし、値下げや工期短縮が必ずあるわけではない。当日までに何を片付けるかと、準備できない場合の扱いを先に確認しよう。

やらなくていいこと

大きな家具を全部別室へ出す必要があるかは、施工範囲と作業スペースによる。部屋の中で寄せて施工できる場合もあるので、移動する前に業者へ確認してほしい。

「壁のものを全部外して、穴も埋めておかないと」もやらなくていい。フックやネジの穴は、下地処理(パテ)の段階で職人が埋める。うまい・下手の見分け方で書いた通り、パテをしっかりやるかどうかが仕上がりを決めるので、ここは職人に任せてほしい。

エアコンを残す場合は、本体の周囲など施工できる範囲を貼ることになる。本体の裏まで張り替えたい場合は、脱着の要否と専門業者の手配、追加費用を確認する。自分で配管や配線を外さないでほしい。

ピアノ・大型水槽・据え付け家具がある場合

これは別扱いで、事前に伝えてほしい。ピアノは動かすのに専門業者がいることが多く、内装業者では動かせない。動かさずに、ピアノの裏の壁だけ貼らない(前のクロスを残す)か、ピアノ運送を手配して費用に乗せるか、どちらかを施主に選んでもらう。大型の水槽も同じで、水を抜かないと動かせない。据え付けの食器棚やクローゼットは、外さずに周りだけ貼るのが普通だ。

こういうものがある部屋は、見積もりの段階で「どうするか」を決めておかないと、当日に「動かせません」で止まる。見積もり依頼の記事で書いた「最初に伝える5つ」に、動かせないものの有無を足してほしい。

住みながらの工事で気をつけること

におい:換気方法と部屋を使い始める時期を確認する。刺激や体調への影響があれば無理に在室しない。
ホコリ:施工範囲の養生と家電の保護方法を業者に確認する。家電を覆うときは電源を切り、稼働中の放熱部をふさがない。
乾燥:家具を壁へ戻す時期は材料と施工状態によるため、作業後に確認する。
子ども・ペット:刃物や脚立を使う作業場所に入らないよう、別の居場所を確保する。

片付けで悩まなくていい人

・入居前や空き家で家具がない場合は、家具移動の調整が少なくなる
・家具が少ない部屋でも、下地や施工範囲によって工期は変わる
・どの場合も、作業スペースと養生の範囲は業者に確認する

この記事が要るのは、「今住んでいる家で、家具を置いたまま張り替えたい」人だ。

よくある質問

Q. 工事中、家にいないといけませんか?

A. 業者によるが、鍵を預かって不在でも作業する業者は多い。ただし、住みながらの場合は「どの家具をどこに寄せるか」の判断があるので、初日は在宅してもらった方が話が早い。

Q. 家具の移動を頼むと、傷つけられませんか?

A. 養生や適切な移動方法で傷を防ぐよう対応してもらいますが、無傷を保証できるわけではありません。移動する家具と元の傷を写真で共有し、破損時の連絡や補償の扱いも工事前に確認しましょう。

Q. 家具を動かさずに、見える壁だけ貼ることはできますか?

A. 見える部分だけを施工する方法もあります。ただし、境目や未施工部分が残るため、あとで家具を動かすと見える場合があります。費用がどの程度変わるかも見積もりで確認してください。

そもそも今が替えどきかどうかは、クロスの張り替えは何年が目安?で書いたサインで判断してほしい。サインのない部屋は、家具を動かしてまで替えなくていい。

住みながらの工事で「職人さんに差し入れした方がいいのか」と迷う人は、職人への差し入れは要る?で元職人の本音を書いた。結論は、要らない。渡すなら飲み物を置いておくだけでいい。

工事の音や搬入は近隣にも影響することがある。近所への挨拶や工事案内を誰が行うか確認し、予定変更や苦情があれば業者と共有しよう。

張り替えたあとの糊やビニールのにおいが気になる人は、壁紙を張り替えたら臭い。いつまで続く?も読んでほしい。

まとめ

クロス張替えを住みながら進められるかは、施工範囲と生活場所、家具の移動方法で変わる。どの部屋をいつ使えるか、誰が何を動かすか、費用にどこまで含むかを先に確認しよう。小物の片付けなど準備を分担し、ピアノや水槽など動かしにくいものは見積もり時に伝えておきたい。

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